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★城内の一室
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ray4-01 |
本日の姫君のご訪問は、あくまでも私的なものですので、出迎え等は不要とのことです。ご到着次第、客間にお通ししますので、報告がありましたら王子もそちらに・・・。・・・王子、大丈夫ですか?
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alb4-01 |
・・・父上は、今回の縁談に乗り気なようだよ。このままだと本当にその姫君と結婚することになるかもしれない
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ray4-02 |
それは・・・
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alb4-02 |
だけど・・・僕はどうしても、あの夜の少女が、忘れられないんだ。・・・あれは幻かもしれないのに、どうかしてるよね。でも、どうしても・・・彼女が、好きなんだ
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ray4-03 |
大丈夫ですよ、王子。あなたが気づいていらっしゃらないだけで、あなたの想い人は案外近くにいらっしゃいますから
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alb4-03 |
え?
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ray4-04 |
[気にせず流して]それに、縁談だって、乗り気じゃないのは向こうの姫君も同じかも知れません。まだ結婚すると決まったわけじゃないんですから、どうとでもなりますよ
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alb4-04 |
・・・[ふっと力を抜いて、意識して前向きに(軽く?)、少し自分に言い聞かせるように]そう、だね。悲観的になることはない。まだ、わからないんだから
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ray4-05 |
[明るく]ええ
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alb4-05 |
[笑いを含んで]きみは、真面目そうに見えて意外に楽天的なところがあるよね。でも、やっぱり君の言葉は不思議な説得力があるよ。・・・ありがとう。君がいてくれて助かった
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★廊下
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SE:足音(三人分)
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man4-01 |
(フェードイン)それで、姫君は珊瑚の間でお待ちです。今はレイモンドさまがお相手を
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alb4-06 |
わかった
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man4-02 |
ところで、あの・・・マルグレーテ様には、別室でお待ちいただいた方がよいのではないかと・・・
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alb4-07 |
いや、連れていくよ。マルグレーテは、僕にとって大切な人だからね。この子を受け入れてくれないような人とは、結婚なんてできない
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man4-03 |
はあ・・・
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alb4-08 |
(マルグレーテは、外見だけじゃなくて、どこかあの夜の少女に似てる。彼女と一緒に姫君に会うことが、僕の意思表示だ)
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SE:足音が止まる
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man4-04 |
それでは、こちらへ
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alb4-09 |
行こう、マルグレーテ
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SE:扉を開く
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★城内の一室(珊瑚の間)
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ray4-06 |
(フェードイン/雑談)もう10年も前のことになるでしょうか
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lou4-01 |
まあ、そんなに前から?では王子様のことも幼少のころからご存知なのですわね[楽しそうに]
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SE:足音(二人分)(次のセリフに重ねて)
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ray4-07 |
ああ、王子
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SE:足音が止まる
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alb4-10 |
初めまして、姫君。お待たせしてすみません。改めて、我が国へようこそ。僕が、この国の第一王子アルベルトです
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lou4-02 |
初めまして、アルベルト様。わたくしはルイーゼと申します。お招きいただき、光栄ですわ
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mar4-01 |
(え・・・っ?)
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alb4-11 |
っ!?その声は・・・ど、どうして・・・
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mar4-02 |
(そ、そうよ、何で私と同じ声なの!?)
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lou4-03 |
声?あら、気に入っていただけたなら嬉しいですわ。自慢じゃないですけれど、本国でも美しいとよく褒めて頂けますの
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alb4-12 |
(彼女があの夜の少女?いや、まさか。それに、ルイーゼ姫の髪は栗色だ。彼女のブロンドとは似ても似つかない・・・)
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lou4-04 |
わたくし、歌も得意ですのよ。宜しければ一曲歌いますが、いかが?
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ray4-08 |
王子?どうかなさいましたか?
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alb4-13 |
え?あ、い、いや。すみません、歌は聞いてみたいですが、初対面の高貴な女性に歌わせるわけにはいきませんので・・・
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lou4-05 |
[少し意外そうな感じで?]そうですか、残念ですわ
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alb4-14 |
また機会があればぜひ。そ、それで、姫はいつまでこちらに?
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lou4-06 |
予定では、一週間ほどお世話になるつもりです
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alb4-15 |
そうですか、歓迎します。ここを本国だと思って、ゆっくりと過ごして下さい
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lou4-07 |
ええ、お言葉に甘えさせていただきますわ
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alb4-16 |
僕も掛けさせてもらいますね。 ところで姫は・・・(フェードアウト)
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mar4-03 |
(これって偶然?世の中には、こんなにそっくりな声の人がいるものなの?)
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★城内の一室(珊瑚の間)
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lou4-08 |
それでは、失礼いたします
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SE:足音
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SE:扉が開く
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SE:扉が閉まる
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ray4-09 |
王子、妙に動揺していらっしゃいましたね。何があったんですか?
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alb4-17 |
それが、その・・・姫君の声が、あの夜の少女とそっくりだったんだ・・・
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ray4-10 |
えっ、というと、人魚の・・・?
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alb4-18 |
うん。聞けば聞くほど本人だとしか思えないくらい似てた
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ray4-11 |
まさか・・・
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mar4-04 |
(でも、私が聞いても私の声にしか聞こえなかったわ)
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ray4-12 |
しかし、姫君の方に覚えがある様子はなかったでしょう?彼女とは別人ですよ
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alb4-19 |
うん。それは僕も、そうだと思う。髪の色も違ったし・・・。むしろ髪でいえば、マルグレーテが彼女ととても似てるんだ。綺麗なブロンドの髪。そのせいかな?雰囲気まで似てる気がするんだけど・・・
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mar4-05 |
(だってそれは私なんだから当然よ。もう、どうして気づいてくれないの!)
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ray4-13 |
王子・・・相変わらず鈍感ですね
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alb4-20 |
え?
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ray4-14 |
いえ
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alb4-21 |
・・・僕、思うんだけどさ。もしかして、これって神様が僕に、姫君と結婚しろって言ってるのかな
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ray4-15 |
え?
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alb4-22 |
あの人と同じ声を持つ姫との縁談なんて、偶然にしては出来すぎてると思わない?つまりこれは、偶然なんかじゃなくて、運命なのかもしれない・・・
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mar4-06 |
(えっ、王子様!?本当にあの人と結婚するつもりなの!?)
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ray4-16 |
[ゆっくり目に]いや、でもそんな
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alb4-23 |
[遮るように]彼女との結婚は国益にもなるんだし、彼女自身も美しいし話しやすい人だった。また会えるかどうかどころか本当にいるのかすらわからないような女性よりも、ずっと現実的だ。ほんとは僕だって・・・夢ばっかり見ていられるような立場じゃないんだから
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ray4-17 |
王子・・・
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alb4-24 |
[ちょっと自信なさげな感じで]・・・少し、ひとりで考えさせて。・・・マルグレーテ、君がそばにいると彼女のことを思い出して辛いんだ。だから・・・しばらく、僕と会わないでほしい
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mar4-07 |
(そんな…っ!)
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ray4-18 |
王子!
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SE:足音
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alb4-25 |
・・・ごめん
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SE:扉を開く
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SE:扉が閉まる
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SE:足音(小さく/フェードアウト)
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mar4-08 |
(王子様・・・)
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★マルグレーテの私室、バルコニー近く
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SE:波の音(小さく)
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mar4-09 |
(あれから、もう三日・・・ずっと王子様に会っていないわ。王子様の傍にはいつもあのお姫様がいるようだし・・・王子様が、やっぱりあの人と結婚するつもりだっていう噂も聞くわ。そんなの絶対に嫌!でも・・・どうすればいいの?)
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SE:足音
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SE:戸を開く(バルコニーへ)
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★バルコニー
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SE:合わせて波の音が大きく
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two4-01 |
末姫。ねえ、・・・!末姫!
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mar4-10 |
(えっ!?姉さま達!?どうしてここに・・・。[はっと気づいて]それに、・・・あの、髪・・・)
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two4-02 |
ねえ、私たち、人間たちの噂話で聞いたのよ。あなたの王子様が、どこかのお姫様と結婚してしまうそうじゃない。そうしたら、魔女の呪いであなたは泡になってしまうわ。そんなの、絶対駄目よ。あなたを助けたくて、髪と引き換えに魔女からこのナイフをもらったの!
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mar4-11 |
(髪と引き換えに、ナイフを?)
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two4-03 |
魔女が言うには、このナイフで王子様の胸を刺せば、魔女の呪いは解けてあなたは人魚に戻れるの!あんな、助けてもらった恩もあなたの苦しみも知らずに他の女と結婚しようとしてる人間なんて、命を懸ける価値もないはずよ。そうでしょう?だから、このナイフで王子を殺しなさい!
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mar4-12 |
(王子様を、殺す・・・?)
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two4-04 |
私たちは、あなたが大事なの。失いたくないの!お父様とお母様だって心配してるわ!あなたは優しいから誰かを殺すなんて辛いでしょうけど、私たちの気持ちもわかるでしょう?
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mar4-13 |
(姉さま達・・・私のために、あんなに綺麗だった髪を切ってくれたのよね。でも・・・)
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two4-05 |
それに、あなたはむしろ彼を恨んでもいいくらいだわ。あなたは、彼のせいで死んでしまうことになるのよ?恩を仇で返されて、憎んで当然じゃない!殺されても当然だって思うわよね。だったら早く、このナイフを受け取ってちょうだい。それで、今夜にも王子を殺すのよ
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mar4-14 |
(私が、憎んでる・・・?王子様を? [馬鹿げている、と思いつつ余裕のない感じで]そんなはず [気づいたように]・・・でも、あのお姫様が来てからずっと、胸が痛い。今も、ずきずきと刺さって痛みが取れない。・・・これが憎しみ・・・なの?私、は・・・)
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one4-01 |
[少し強めに]ねえ、末姫。[そっと]・・・あなたは今、幸せ?
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mar4-15 |
([はっとして]この声は・・・一番上の姉さま?)
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one4-02 |
・・・前にそう訊いたとき、あなたは幸せって顔をしたわ。でも、今もそう思っている?王子様と出会えて、幸せ?
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mar4-16 |
(王子様に、出会えて・・・?そう、ね。私は、王子様に出会って、恋をして、王子様の傍でいろんな時間を過ごしたわ。王子様はずっと優しくて、いつでも私に笑いかけてくれて、私の名前を呼んでくれて、本当に嬉しかった。辛いこともあったけど、毎日が楽しくて幸せだったわ。だから・・・この胸の痛みは、憎しみなんかじゃない。きっと、悲しみと・・・淋しさね。私は王子様が大好きだから)
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one4-03 |
ねえ、末姫。あなたの道は、あなたが選ぶのよ。間違ってもいい。ただ、後悔だけはしないで
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mar4-17 |
(姉さま、私は・・・王子様を殺したくなんかない。たとえ泡になってしまっても、王子様を好きになれて幸せだったわ。だから、ナイフなんていらない)
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one4-04 |
[穏やかに]心は、決まったようね
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two4-06 |
だったら早くこれを受け取って!私たちはあなたを心配してるのよ!
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mar4-18 |
(姉さま達・・・ごめんなさい、でも、ありがとう。会えなくてもずっと、大好きよ)
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SE:足音
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two4-07 |
!?ちょっと、あなた!?
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three4-01 |
末姫っ、何考えてるの!?
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★マルグレーテの私室、バルコニーへの扉の前
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SE:戸を閉める
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SE:波の音が遠くなる(ゆっくりフェードアウト)
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four4-01 |
戻ってきなさい!
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one4-05 |
どうか、幸せに
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mar4-19 |
(・・・さようなら、みんな・・・)
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SE:足音
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lou4-09 |
あら?ナイフは受け取らなかったようですわね
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mar4-20 |
(えっ!?)
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lou4-10 |
こんばんは、マルグレーテ様。ご機嫌いかが?
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mar4-21 |
(ル、ルイーゼ様?どうしてここに・・・)
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lou4-11 |
そんなに驚かなくてもいいじゃありませんか。ちょっとお話をしに来ただけですわ。あ、もしかして王子様のことを心配してるのかしら?
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mar4-22 |
(そ、そうよ、ずっと王子様のそばにいたくせに)
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lou4-12 |
あの人は部屋で眠っていらっしゃいますわ。私もさっきまで一緒にいたのだけど、抜け出してきちゃった
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mar4-23 |
(やっぱり一緒だったのね・・・)
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lou4-13 |
うふふ、どうです?大好きな王子様が、自分と同じ声の別の人間に誘惑されている気分は。ねえ・・・人魚姫さま?
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mar4-24 |
(えっ、ど、どうしてルイーゼ様が・・・!?)
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lou4-14 |
さぞかし絶望したことでしょうね。声さえ出れば、自分だって王子様を手に入れられたかも知れないのにって。面白いですわ
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mar4-25 |
(どういう、こと?)
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lou4-15 |
あら?まだわからないのかしら?つくづく鈍感な子ですわね。ほら、あたしだよ、あたし
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hek4-01 |
ほら、あたしだよ、あたし。お前をここで暮らせるようにしてやったのはあたしだろ?もしかして、もう恩人のことも忘れちゃったのかい?(クロスフェード)
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mar4-26 |
(こ、この声・・・ってまさか、ルイーゼ様の正体は魔女・・・!?)
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SE:足音(+杖)
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ray4-19 |
やはり、あなたでしたか
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ray4-27 |
(えっ、レイモンド様!?)
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hek4-02 |
おっと(咳払い)
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lou4-16 |
あら、レイモンド様こんばんは。突然何ですの?
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ray4-20 |
[冷静に]とぼけなくても結構です。ルイーゼ様・・・いえ、海の魔女よ
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lou4-17 |
まあ、もしかして立ち聞きですの?趣味の悪い方ね
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ray4-21 |
お話を聞かせて頂いたことは否定しませんが、それ以前からあなたの正体を疑っていたからこそですよ。普段はそんなことしません
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lou4-18 |
私が魔女だと気づいていたと言うの?
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ray4-22 |
ええ、マルグレーテ様と同じお声だと伺ってから、もしかしたら、と。そんなに都合よく、彼女とおなじ声の人物がこの場に現れるとは思えませんからね。彼女から奪った声を、魔女が使っているのではないかと
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hek4-03 |
・・・はあ、うっとうしいことだね。[ふと気づいて]おや?それにしてもお前、どこかで見たことがあると思っていたら、もしかしてあの時の絵描きかい?
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ray4-23 |
ええ、そうですよ。色と引き換えに、あなたに足をもらった
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hek4-04 |
こんなところにいたのかい。で、どうだい?人間と一緒に暮らすっていうのは
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ray4-24 |
[本音で]とても楽しいですよ。人魚でいたころよりももっと、毎日が充実している。この世界の景色だけじゃない。人間というものそのものが、実に面白い生き物です
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hek4-05 |
[やや わざとらしく]そりゃあよかったじゃないか。あたしに存分に感謝してもらいたいところだよ。・・・おや、人魚の末のお姫様、まだ信じられないって顔をしているね。まあそりゃあそうだろうね。大事な大事な王子様の婚約者の正体が、まさか王子様に近づく手助けをしてくれた魔女だったなんて、そう簡単に信じたくないよねえ
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mar4-28 |
(そうよ、そんなはず・・・!)
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hek4-06 |
だってお前は、王子様が結婚してしまうせいで死ぬんだものね。それなのに、肝心の結婚相手がすべての黒幕だったなんて。・・・でも、もう手遅れだよ。せっかくのナイフも受け取らなかったんだ。王子だってその気だし、お前は、絶望と憎しみの中でもうすぐ死ぬしかない。思ったとおりの面白い展開だ
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mar4-29 |
(そん、な・・・そんなことって!)
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ray4-25 |
っ、あなたの目的は一体何なんです!
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hek4-07 |
目的?そんなの簡単だ。若い娘の魂は、若さを保つのに重要な薬なんだよ。そして魂は、絶望や憎しみに染まったものほど美味しい。あたしはそれが欲しいんだ
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ray4-26 |
[怒りと焦り(取り乱すわけではないです)]あなたは・・・!
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hek4-08 |
それじゃあね。愚かなお姫様
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lou4-19 |
(魔女とクロスフェード)愚かなお姫様。ああ、王子に知らせたって無駄ですわよ。いつも私がそばにいますし、私お手製の薬を少し飲ませれば、記憶操作なんて簡単にできるのですから。うふふふ
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SE:足音(フェードアウト)
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mar4-30 |
(そ、そんな、どうしよう・・・このままじゃ全部魔女の思い通りになっちゃう!)
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ray4-27 |
[呟き]マルグレーテ様・・・
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★廊下
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(BGM:暗めの落ち着いた曲)
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SE:足音(+杖)(フェードイン→止まる)
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hek4-09 |
[歓迎して]ああ、待っていたよ。お前なら来ると思っていた
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ray4-28 |
・・・さすがは、名高い海の魔女ですね。わたしの考えなどお見通し、という訳ですか
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hek4-10 |
これくらいは当然のことだよ。お前はあの人魚のお姫様のことが大事なんだろう?あたしなら、あの子を死なせずに済む方法を知っている。その方法を訊きに来たんだね
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ray4-29 |
あなたが王子との結婚を取りやめてくだされば簡単だと思うのですがね
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hek4-11 |
それは駄目だよ、あたしが何も得をしないじゃないか。それにお前だって、今度こそ王子に姫を取られちまうよ。それは困るだろう?
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hek4-12 |
ここに、ナイフがある。あたし特製の、特別なナイフだ。大事な妹が受け取らなかったと言って、あの子の姉たちが泣きついてきたからね、代わりにあの子を助けてやれる奴に渡してやろうと預かってきたんだ
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ray4-30 |
それで?わたしにどうしろと?
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hek4-13 |
決まってるじゃないか。お前はこれで王子の胸を刺せばいいんだ。王子が死ねば、呪いは解けてあの子はまた人魚に戻れる。邪魔ものがいなくなれば、お前だってあの子の心を手に入れるのはたやすいだろう?
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ray4-31 |
・・・それで、あなたにはどんな得が?
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hek4-14 |
そうしたら、あたしは王子の魂を貰おう。娘の魂と同じく、若く美しい男の魂も、若返りによく効くのさ。信頼しているお前に裏切られれば、あの王子も憎しみとともに死んでいくだろうしね
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ray4-21 |
[あまり感情を込めずに]そうかも知れませんね
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hek4-15 |
だからあたしとしては姫と王子のどっちが死んだって構わないんだよ。それに、必死に足掻いている滑稽な姿を見るのもまた一興だからねぇ
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SE:足音(前のセリフとクロスフェード)
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mar4-31 |
(あら?あそこにいるのはレイモンド様と・・・ルイーゼ、様・・・?レイモンド様、魔女なんかと一体何を話しているの?)
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hek4-16 |
やるなら早い方がいい。あたしがちゃんとお膳立てしてやるから、今晩にもおいで
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mar4-32 |
(やるって、何を・・・。って、あれは、姉さまが魔女からもらったナイフ!?)
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hek4-17 |
それで王子の胸を一突き、だよ。それだけですべてが上手くいくんだ。簡単だろう?それじゃあ今晩0時、王子の部屋で待っているからね
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SE:足音(フェードアウト)
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mar4-33 |
(あのナイフをレイモンド様が受け取って、今晩王子様の胸を・・・刺す?どういうことなの?まさか、レイモンド様は王子様を・・・[まさかという思いを込めて]殺す、つもりなの?[叫びすぎず]そんな、どうして!?)
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