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ファイル名 |
台詞 |
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SE:波の音
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SE:海水に足を浸ける
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mar3-01 |
(ふう・・・。やっぱり海の水は冷たくて気持ちいい・・・。痛みまで溶けていくみたい)
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SE:姉たちが水面から顔を出す
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two3-01 |
末姫!
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mar3-02 |
え?ね、姉さま!?
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two3-02 |
ちょっと、あなた今どうしてるの!?あなたったら、私たちの知らない間に魔女に頼んで、声と足を交換したって言うじゃない!それは本当なの!?ねえ、しゃべれるなら返事してちょうだい!
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two3-03 |
・・・っ!本当に声をあげちゃったのね!?どうして!?あなたの声は、この海でいちばん綺麗だったわ。わたしも、お姉さま達もみんな、あなたの声が大好きだった。あなただって、自慢に思っていたはずでしょう?なのにどうして、そんなもののために・・・!
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one3-01 |
ちょっと、いいかしら
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mar3-03 |
(!姉さま・・・!)
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two3-04 |
お姉さま
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one3-02 |
ねえ・・・あなたは、今、幸せ?
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mar3-04 |
(幸せ・・・?・・・ええ。こんなにもずっと、王子様の傍にいられて。王子様と同じ場所を歩けて。私は今、とっても幸せ)
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one3-03 |
[優しく]・・・それならいいの。
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one3-04 |
[真剣に]これは、あなたの人生よ。あなたの思うように、でも後悔だけはしないように、あなたの道を行きなさい
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mar3-05 |
(姉さま・・・)
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one3-05 |
[軽めに]それじゃあ、私たちは帰るわ。行くわよ
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two3-05 |
で、でも、お姉さま
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one3-06 |
帰るの。わかるでしょう?
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two3-06 |
[しぶしぶ]・・・はい、お姉さま
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SE:二人が去る
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SE:波の音
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one3-04 |
(これは、あなたの人生よ。あなたの思うように、でも後悔だけはしないように、あなたの道を行きなさい)
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mar3-06 |
(・・・ええ、約束するわ。ありがとう、姉さま)
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SE:波の音がフェードアウト
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SE:(入れ替わりに)鳥の囀り
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alb3-01 |
マルグレーテ。あの鳥は知ってる?ほら、向こうの塔にとまってるやつ。あれはね、・・・
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SE:レイモンドの足音(杖付き)
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ray3-01 |
ああ、王子、こちらにいらっしゃいましたか
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alb3-02 |
あ、レイモンド。どうかしたの?
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ray3-02 |
ええ、先ほど陛下が王子をお探しでしたので。おそらく執務室の方にいるのではないかと・・・
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alb3-03 |
父上が?何の用かな。・・・マルグレーテ、ちょっと行ってくるよ
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SE:足音(フェードアウト)
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ray3-03 |
すみません、わたしは足が悪いので腰掛けさせていただきますね
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SE:足音
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SE:椅子に座る
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ray3-04 |
マルグレーテ様は、鳥がお好きなんですか?[ちょっと笑って]実はわたしもですよ。彼らが大空を自由に飛び回る姿は、サンゴの森を優雅に泳ぎ回る魚たちのようで、懐かしくなるのです
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mar3-07 |
(確かにそのとおりね。鳥を見てると、私もいっしょに空を飛びたくなっちゃう。・・・あれ?でも、人魚でもないのに、この人がそんな海の底深くのことを知ってるなんて変よね・・・)
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ray3-05 |
マルグレーテ様。あなたは・・・人魚だったのでは、ないですか?
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mar3-08 |
(え・・・っ!?)
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ray3-06 |
人魚の国の、6番目のお姫様。その歌声の美しさといったら、どんな楽器も敵いはしない。・・・きっと、その声と引き換えに、あなたは足を手に入れたのですね
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mar3-09 |
(ど、どうして・・・)
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ray3-07 |
わたしは、あなたを知っていますよ、姫。一目見たときに、すぐに気がつきました。・・・[少し懐かしそうに]わたしも、人魚でしたから
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mar3-10 |
(え・・・?)
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BGM:レイモンド回想シーン
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ray3-08 |
幼いころから絵を描くのが大好きだったわたしは、毎日絵ばかり描いていたので、絵に収めるべきものは全て描(えが)いたつもりでいました。実は、あなたの歌う姿を描いたこと『も』あるんですよ。…けれど、そんなある日友人の誘いで海上の世界へ足を伸ばす機会があって、初めてそこを見たときは…驚きました。まさか海の上に、人魚の世界にも劣らない美しい景色があるだなんて、それまで想像もしていなかったんです。その時の感動は今でも鮮明に覚えていますよ。そしてすっかり魅了されたわたしは、そのうち、欲が出てきてしまいました。陸の奥地まで入りたい、わたしの知らない景色をもっと描きとめたいと。そのために足を得ようと・・・魔女に会いに行ったのです
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ray3-09 |
魔女よ、どうかわたしに足を与えて下さい
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hek3-01 |
お前の望みは叶えてやろう。ただし、代償が必要だよ。お前にとって命の次に大事なものをもらおう
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ray3-10 |
命の次に大事なもの・・・?
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hek3-02 |
そうだねえ。それじゃあお前のその目をもらおうか。何でもない景色を、とびきりの絵画のようにみせる目だ。手に入れたらさぞ楽しいだろうね
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ray3-11 |
そんな・・・!それでは足を手に入れる意味がありません!
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hek3-03 |
でも、お前はその人魚のしっぽを、人間のような足にしようって言うんだ。薬を作る手間だってね、半端なものじゃないんだよ。それ相応の代償をもらえないと、完璧な薬なんてできやしないよ
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ray3-12 |
・・・それはつまり、別の代償でも、不完全な薬なら作れるのですか
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hek3-04 |
[少し驚きつつ]まあ作れないことはないけどね。[意地悪]だけど、あたしだってそうやって作った薬がどんなものになるかはわからないよ。歩かずとも持っているだけで足は酷く痛むだろうし、肌には鱗が残っちまうかも知れないね
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ray3-13 |
あまり贅沢は言いません。でしたら、わたしの「色」を差し上げます。目、そのものを差し上げることはできませんが、色だけなら・・・。それで、薬を作ってはいただけませんか?
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hek3-05 |
・・・仕方ない、お前の要求を呑んでやろう。あたしは寛大な魔女だからね。ただし、どんなふうになっても知らないよ。覚悟しておおき
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BGMフェードアウト
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ray3-14 |
そうやって手に入れた足なので、中途半端なものになってしまって、結局満足に歩くこともできず、言われたとおり一部には鱗が残ってしまいました。目も、色を渡してしまったので、今ではモノクロの映像でしか世界を見ることができないのです。でも、わたしは満足しているんですよ。望みどおり、海の中にいるだけでは見ることのできなかった景色を、たくさん見ることができた・・・。色と引き換えにしても、足を得ることができて本当によかったと思っています
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mar3-11 |
(そうだったの・・・)
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ray3-15 |
[切り替え/悪戯っぽく(笑いを含む感じ)]ところで、あなたの望みは、王子でしょう?・・・[優しく]王子のことが、お好きなのですよね
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mar3-12 |
(え・・・!?な、なんで知ってるの!?)
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ray3-16 |
[少し笑って]わかりますよ、あなたを見ていれば。それで、王子に会うために人間の姿になられたのですね。・・・あの大波の夜に王子を助けたのも、あなただったのではないですか?
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mar3-13 |
(そのことまで知ってたなんて)
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ray3-17 |
やはり。王子は、微かにですがあなたのことを覚えておられるようでしたよ。あの日、溺れかけた自分を救ってくれたのは、美しい人魚だった、とね。さすがに、それがあなただったとまでは気づいていらっしゃらないようですが・・・
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SE:足音(前のセリフに被せてフェードイン)
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ray3-18 |
ああ、噂をすれば影、というやつですね。[怪訝そうに]・・・王子、何かありましたか?そんなに暗い顔をなさって。陛下のご用事はなんだったんです?
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alb3-04 |
[暗く]・・・。父上に・・・隣国の姫君との縁談があると言われた
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SE:心臓の音(一回)
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mar3-14 |
え・・・?
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alb3-05 |
二週間後に、その姫君がこの城に来るらしい。国同士の問題も絡んでくるから、くれぐれも粗相のないように、と・・・
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mar3-15 |
(そんな!このままじゃ王子様が、ほかの人と結婚しちゃうわ・・・!そしたら私も泡になって消えちゃう・・・ど、どうしたらいいの・・・?)
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